「ボイメンで検索!」したら人生変わった話

  1. はじめに 

一年の恥をかき捨てよう。

これは一介のオタクによる告解である。

 【追記】

この記事は2019年に書いたものの恥が勝って投稿していなかったものです。

 勿体ない精神で投稿してみます。エイプリルフールだし(?)。
拙い文章でごめんなさい。

 

  1. 全てのはじまり

正直に申し上げる。

私はBOYS AND MENにだけは絶対にハマるまいと心に誓っていた。

それは何故か。親友2人を略奪されたからである。

重い!知ってる!!

こちとら筋金入りのメンヘラである。ご容赦願いたい。

時は2018年の年末にまで遡る。私たち仲良し3人組は、若俳若手俳優)オタクという、志を共にする戦友であった。楽しいばかりではない界隈である。

沸いた時、病んだ時、推しが炎上した時、酒を呑み交わし互いに慰めあう。かけがえのない存在なのである。

そんな三人組の一人、親友Aが突如なんだか知らないアイドル(だと思っていた)にハマった。推しへの狂気的な愛をそのままに、特撮や二次元にも幅広く手を出す彼女の事だから、また素敵な出会いをしたんだなあ程度に思っていた。しかし事態が深刻化したのはその後である。

気付かぬうちに友人Bもそのアイドルにハマっていた

待って何それ知らない。

もうこの時点から私は2人の話に付いていけなくなり始めていた。

少し寂しく思っていたことは否めないが、彼女たちは2人で盛り上がって完全に私を放置するような事は無かった。

親友が親友たる所以である。そしてこんな時オタクがオタクに対してする事は一つしかない。布教である。

最早力技としか言えない手法から、仲間内で布教ヤ○ザと呼ばれる友人A。さりげない推しエピソードトークから興味を持たせる友人B。そんな2人のバランスは絶妙であった。

2人のおかげで私はボイメンにハマりきる前からゆとり*1の関係にエモーショナルを感じ、タムちゃん*2の脱サラ事情を知り友人Aがカラオケで歌った「シアワセアンテナ」に号泣した。

 話が逸れた。

しかし、である。2人による怒涛の布教にも私は靡かなかった。

友人の推しという贔屓目抜きに、彼らはめちゃくちゃ面白かった。

2人に見せてもらった過去に放送されたという番組*3には心の底から笑わせてもらったし、曲もいい、メンバーのキャラクターもいい、顔もいい。それはわかる。

けれど、「へぇそうなんだ~」と言いつつ、まあ私は推しにはならないかな、と思っていた。友達に置いて行かれたくないから、なんて理由で推すのは不誠実であると思っていたし、それに、なんたって私には既に推しが居た。今を時めく若手俳優2.5次元舞台から引っ張りだこで、1月にも公演を控えた彼を追うのでいっぱいいっぱいだった。

そのうえ私は、私たちは、ガチ恋オタクであった。

 

 

  1. ガチ恋オタク

 ガチ恋オタクとは。推しに本気で恋をしてしまったオタクである。リアコ(リアルに恋してる)とも言う。私の場合、「○○くんまぢリアコ~♡」なんて沸けるファッションリアコなんてものではなかった。

ガチガチの恋に落ちた。

これはきっと同じ穴の狢にしか理解できまい。ここは地獄だ。

 恋に落ちるのは一瞬である。

身の丈に合わないことなんて百も承知で、実際に推しとどうこうなりたいなんて思ったこともない。それでも、好きになってしまったら最後。

もうどうしようもない。永遠の片思い。

それがガチ恋である。

 彼は、芝居に対してどこまでも真摯であった。

真面目で誠実。ストイックで負けず嫌い。役と向き合い、演じるのではなく、その人物の人生を生きるのだという。握手会ではファンの視線に合わせるためにどれだけ長時間であろうと腰を曲げ、高身長を折り曲げて真っ直ぐに目を見て話をする。女遊びを嫌い、カノバレなんてもちろんなく、火の無いところにばかり煙が立つ。

開演前、舞台袖で一人手を合わせ、舞台に立たせていただくことへの感謝と、皆怪我無く無事に公演できますようにと祈りを捧げる。

 巫女か??聖女なのか??

現代に生まれた落ちたジャンヌダルクかよ……。

本当に魂の美しい人だ。けれど、もどかしいこともある。

彼を批判する人からは、よく「何を演じても同じになる」と言われる。

正直それは思わないでもない。それに、この界隈は即物的な需要を求められがちで、似たキャラクターにキャスティングが偏ることも少なくない。けれど私は、全てが同じとは思えなかった。彼はその人物を生きている。注視すれば確かな差異はそこにある。彼に対して情熱をもって一挙手一投足見逃すまいと観劇すればわかる。

では、そうでない人にとってはどうだろう。そうでない人にも伝わる程のスキルは、彼に備わっているのだろうか。

きっと、否だ。

詰め込まれたスケジュール、十分とは言い難い稽古期間、このままでは芸歴だけが長くなって、中身の伴わない役者になってしまうのではないか。

彼の中に、確かに光るものを見た。

けれど、この歳になっても、いつまでも原石のままでいいのか。

素人が長々と語ってしまって、何を見当外れな事を言ってんだと思われた方もいらっしゃるでしょう。けれど、こんな不安が絶えず私の中にあったのは事実です。

……ここまで言ってしまえば彼が誰なのか、わかる人にはわかってしまうかもしれない。明言は避けます。私が勝手に感じていた不安のせいで、彼や、彼のファンの方を傷つけるのは本意ではないので。

彼の芝居が好きで舞台に通い始めた。いつの間にか彼の人柄を知って、恋をしてしまった。

それは確かでした。

さて、ポエムはここまで。

ここからは私がいかにしてボイメンに転がり落ちたかを語らせていただきます。

 

 

  1. ボイメンで検索

 今年の1/14、BOYS AND MENによる初のナゴヤドーム単独ライブが行われた。

今更ながら、少しBOYS AND MENの説明をさせていただく。

BOYS AND MEN、通称ボイメン。東海地方出身・在住のメンバーで構成された男性エンターテイメント集団。2020年に結成10周年を迎える彼らは、名古屋を拠点に歌やダンスだけでなく役者やタレントとしても活動の場を拡げている。

今では学ランをトレードマークに、ご当地アイドルの先駆け的存在として知名度をあげ始めているが、結成当初はなかなか日の目を見ず、ステージ上にいるメンバーよりも少ない観客の前でパフォーマンスを行っていたこともあるという。

何が言いたいのかと、泥水すすって地道に活動を続けてきた、そんな彼らが地元で、中部地方最大規模であり、五大ドームの一つナゴヤドームの舞台に立つ。

 激エモである。

こんなの推しじゃなくてもエピソード聞いただけで泣けるくらいエモい。

そんなナゴヤドーム公演に、私の親友2人も参戦していた。

フッ軽すぎん??

私の記憶が正しければ、2人がボイメンにハマって一カ月やそこらだったはずだ。

しかし、まあそこは若俳オタク、現場があれば西へ東へ。

新幹線で一駅なんて遠征のうちに入らないっしょ。散歩よ散歩。

当時の私のツイートである。

 

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ちなみに沼落ち急転直下とは親友2人の陥落っぷりを称え、付けられた名称である。

2人は、輝いていた。そしてめtttttっちゃ楽しそうだった。

 

……寂しい!!!!!!!!!

 

なんだよ2人だけ……私を差し置いて……。

地獄(ここ)に戻って来いよ……推しにガチ恋してた2人はどうしちまったんだよ……。

ボイメン?ふーんそんなにいい訳??

 

ボイメンが夢の舞台に立っていたまさにその時、私の人生に革命が起きた。

 

正直一体何を見たのか正確に覚えてはいない。

けれど、確かにその日私は「ボイメンで検索!」したのでした。

 

 

  1. ボイメンってすごい

 アホ丸出しな見出しになってしまった。

けれどこうとしか言いようがない。ボイメンってすごい。すっごい楽しい。

 

https://youtu.be/qVYqjuuHMxg

 

見てくれ。

なにこれ。楽しすぎる。

見ていて勝手にこちらまで笑顔になってしまう。

なんといっても彼らが本気で楽しそうなのだ。

アホなことにだって本気で、全力投球な彼らの姿が眩しくて、何故か涙が出る。

YouTube公式チャンネルにアップされたMVを全て見た。

かっこいいMVとネタに振り切ったMVの落差!耳キーンするわ!!

ブログを読んだ。え?この人こんなキャラなの?というか各々個性が強すぎる!

ラジオを聞いた。こんな赤裸々なこと言っていいの?!アイドルじゃないの!?

ちなみに、この時顔と名前と声が一致しないままいくつか聞いた中で、「この人言ってることは変だけど声が凄く綺麗だな……。」と思っていた方が現在の推し、土田拓海さんである。

 

全力で夢を追う姿。叶う訳が無いと思われた夢にも果敢に挑戦し、遂には夢を叶えたその姿。

応援したい、背中を押したい、一緒に夢を追いたい。

 

もうお分かりだろう。急転直下。

めでたく仲間入りである。

 

 

  1. 最後の抵抗

 とはいえ私は推しが忘れられなかった。なんといってもガチで恋しているのだ。彼に。彼の芝居に。貧乏学生地方民の若俳オタクに金の余裕なんてあるわけがない。

ボイメンにまで手を出したら身の破滅である。

ボイメンは茶の間でいよう。そう決めた。はずだった。

 

茶の間らしく自宅でボイメンが出演した映画を見ようと思い、当時Amazon primeに入っていた「復讐したい」を視聴した。
山田悠介原作、犯罪被害者が加害者に対し直接手を下し復讐することを是とした復讐法が成立された世界で、妻を殺された男の復讐劇。聞いただけでもなかなかバイオレンスなこの映画、主人公である妻を殺された男をボイメンのリーダー水野勝さん。彼の妻を殺した犯人の青年を、吉原雅斗さんが演じた。

こういうアイドル起用ものの映画は大抵、彼・彼女らの登竜門で、ストーリーや芝居を見るというよりは特殊な設定に置かれた推しを見ることが出来るだけで万々歳、という事が多い(詳しくは言うまい)。期待はせずに見始めた。

 

……待って。

吉原くんヤバない???

 

端的に言うと、吉原くんの芝居がめちゃくちゃ刺さった。

えっ?いくつなのこの子。当時21歳?嘘でしょ……?

というか、思っていたより全体的にレベルが高い。

それもそのはず。彼らは舞台の定期公演を行っていたこともある、れっきとしたお芝居も出来ちゃう集団であった。

一応弁解しておくが、数年前に公開された映画だ。メンバーも若く、当然、万人が完璧な芝居だと思うことは難しいだろう。そのうえ設定や登場人物が特殊である。難易度は高くて当然だ。なので、もし今作を視聴した際、至らないと感じる部分もはあるかもしれない。あまり盲目的に褒め称えることは避けておくが、一個人的には兎にも角にも吉原くんのお芝居がドストライクだった。

「えぇ~~推す~~~~!!!」

なんとでも言うがいい。チョロオタである。

ちなみにこの時点まで親友2人には私がボイメンにずぶずぶになっている事は黙っていた。

恥ずかしくって……///

この数日後、完全にノリとテンションで一週間後に迫っていたイベントのチケットを取ってしまったので言わざるを得なくなり、めちゃくちゃ驚かれたのはいい思い出である。

 

 そして、テンションで誤魔化しましたが、私が推しに対して抱いていた不安が弾けた瞬間でもありました。詳しくは言わないでおきますが、2月にあった彼が出演する舞台には観劇に行けませんでした。つまりは、そういうことです。

 【読まなくていい追記】
言い訳がましくはなりますが、今思うと彼を追うことに疲れていたのかもしれないな、と思います。
彼の輝かしい活躍を時おり目にし、今は文字通り陰ながら「応援」しております。
つらいこともあったけれど、彼を推していた日々は楽しいものでした。
はじめて本気で推した人が貴方で本当に良かった。
まさに「花束みたいな恋をした」のです。

 

 

  1. さいごに

 これが2019年に起きた、私の人生を変えた事の顛末です。

今では3人手を取り合って名古屋に通い、1人は名古屋に移住済み、残り2人は近々移住予定というクレイジーな行動力を発揮して推しを推しています。

こんなMFFD(マイフレンドフォーエバーだて)を持てた私は幸せです!!

名古屋最高!ボイメン最高!

貴方も、人生のアクセントに「ボイメンで検索!」してみませんか?

ちなみに、MFFDに内緒にしていたせいもあって、私が正確にボイメンを推し始めた記念日は自分でも不明です。

オタク、素直になったほうがいいよ!

 

 

P.S 現在、全力を挙げて土田さんを推している訳なのですが、リアコのリの字も無いのが面白いところ。人って変わるんだなあ。

 

 

 

 

*1:ボイメンの最年少組であり同じ高校の同級生だった2人。ゆとり教育黄金期世代の為このコンビ名に

*2:田村侑久

*3:ツタエル・トラベル タイ篇